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2011年1月29日 (土)

学習意欲は育てられるのか?(2001年ごろの記事)

教材ページの「漢字の成り立ち」プリントに対して、

 「死ぬほどおもしれえ~」

 と、言ってくれ、クラスのほかのこの学習意欲を高めてくれた子が、卒業10日前に突然、亡なりました。

 たった12年の人生…

 自分自身が、精神的にスランプに陥り、過呼吸の発作やチックなど身体的にもボロボロになって休職していたときのことなのでよけいに、心に衝撃が走りました。

 目標を見失い、惰性で日々を過ごしてしまっている自分に腹が立ってきて、申し訳ない気持ちが沸きあがってきました。

 この子に報いるためにも、しっかりと復活して、教員という仕事に力を注いでいきたいと固く誓った日でした。

 さて、タイトルの学習意欲について、この子を受け持ったときのことを思い出します。

 「漢字の成り立ち」プリントでもそうですが、このクラスやけに全員の学習意欲が高かったのです。

 岡崎では、3年生の音楽の副教材で「ふえのひびき(笛の響き)」というものがあり、リコーダーの練習が段階的にできるようになっています。

 そしてそれは、3、4年通年で使用するように課題が設定してあるものなのですが、このクラスの実に8割以上の子が4年生の課題曲を含めて、すべての曲を半年で吹けるようになってしまったのです。

 2年分を半年(正確には夏休み前なので3ヶ月です)でクリアしてしまったのです。

 盛り上がりがとにかくすさまじく、朝、登校してきたらすぐ練習、休み時間雨なら練習、授業が終わったら居残って練習と暇さえあれば吹いていました。

 私が特に何かしたわけではありません。

まあ、最初は模範演奏とか「ド」を押さえ易いように微調整してあげる等はしましたけど。

 とにかく、自然発生的にリコーダーは盛り上がったのです。

 2学期以降は吹く曲がなくて、市販のリコーダー楽譜を探してきては吹いていました。

 そして、月日は経ち、他の学校でまた3年生を受け持つことになりました。

 前のことがあったので、リコーダーの授業の盛り上がりをひそかに期待していました。

 ところが、そこでは、前のような盛り上がりが起きないのです。

誰も休み時間に吹きません。

練習するのは音楽の授業の時間のみ。

 他の教科でも同様な光景が見られました。

体育で一輪車が教材としてありますが、前のクラスでは休み時間に練習する子がたくさんいたのにここでは、体育の授業の時間でしかやらない…。

 こちらのアプローチの仕方に違いはありません。

しかし、子供の反応はこんなに違う。

 私は以前、楽しい教材があれば、自然と学習意欲は高まるという気持ちでいました。

そこで、日々、楽しめるものはないかと模索していました。

 しかし、それだけでないことがわかりました。

 学級という集団の性格が学習意欲にとても関係があるということです。

 そういう気持ちを持つ性格の子がいるか、いないかということで、他の子の学習意欲の高まりも決まってしまうのではないかと思えるようになってきました。

 そして、これは教師が伝えられるものなのだろうかという疑問というか不安が湧きあがってきたのです。

 盛り上がらなかったクラスでは、あの手この手で興味を引くように手立てを講じました。

けど、結果は出ませんでした。

 休職するまでになったストレスの一因がこれだったのですが、いろいろやっていて本当に意欲関心というのは、教えられるものなのだろうかと苦悩してしまいました。

 今回のまとめ

 「学習意欲って教えられるの?誰か教えてください」です。

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